サーキュラーエコノミーユニフォームとは
サーキュラーエコノミーユニフォームの証であるロゴ
警備業界は現在、全国約9,500社、警備員数約55万人を擁する大規模な産業となっています。
警備服の約9割には石油由来の化学繊維であるポリエステルが使用されており、使用済みの警備服は産業廃棄物として扱われます。全国の警備業界の規模を考えると、その廃棄・焼却の過程で多量のCO2が排出されていることから、業界全体でケミカルリサイクルの仕組みを構築することで、ユニフォーム廃棄に関わるCO2の発生を抑えることが可能となります。
具体的には、警備業界で使用済みのユニフォームを無料回収し、PET(ポリエステルペレット)にリサイクルします。PETからもう一度ユニフォームの生地として再利用し、再びユニフォームとして生まれ変わるという仕組みです。
資源リサイクルという地球に優しいメリットもさることながら、この過程において、ポリエステルを石油から生産するよりも、CO2の排出を55%削減することが可能になり、地球温暖化対策へ繋がります。
また、このサーキュラーエコノミーユニフォームは、廃棄処分をする際、回収したユニフォームをリサイクル工場にてエネルギー等に再利用ができます。警備業界の廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用のサイクルを築くことで、株式会社警備ログは2030年に向けてSDGsが掲げる目標達成に貢献してまいります。
警備業全体の発展を目指して
サーキュラーエコノミーのタグの入った警備服
警備業というのは、『安心安全を売る、お客様の生命と財産を守る』という大切な役割があります。
しかし、徐々に業界が大きくなるにつれ、昨今では再就職の受け皿産業になっている傾向があります。社会の維持に欠かせない職業であるにも関わらず、誰でもできる産業との認識から、社会的地位が高くなっていないのが現状です。
警備業に携わる人、そして警備業界全体を活性化・発展させるためには、目に見える貢献をすることによって、社会的地位の向上を目指す必要があると考えました。
『非効率』や『3K』というマイナスイメージも払拭していきたい。子どもたちの『夢の職業ランキング』に警備業がランクインするように仕向けたいという思いで、SDGsやサーキュラーエコノミーユニフォームの導入を推進しています。
警備業界は安全と安心を守るだけではなく環境も守る産業として、さらにいえば、SDGsに一番力を入れている産業として、業界全体の底上げを図りたいと考えています。
SDGsの賛同者を募るために
株式会社警備ログ 代表取締役社長 長谷川功一
「水と安全はタダ」という意識が根強い日本では、警備業に対する関心があまり高くありませんでした。
私は、2010年に青年会議所に入り、地域の発展に力を入れる中で、業界全体を底上げしたいという思いがだんだんと芽生えていき、その活動の中でSDGsの存在を知ることになります。そして、SDGsが業界を発展させる一つの突破口になりうると考えました。
また、警備業界全体へメッセージを伝えるためには、家業である警備会社社長という立場ではなく、自身の立ち位置を変える必要があると考えた私は、業界全体を支援する位置づけで、2018年に「警備ログ」という会社を立ち上げました。それがこの活動の始まりになります。
「警備ログ」として、警備業と発注者のマッチング業を立ち上げながら、SDGs目標に警備業を照らし合わせて、業界全体で取り組むにはどこへアプローチできるのか考えました。
警備業は外での立ち仕事が多く、制服の劣化が早い傾向にあります。しかし、会社のブランドやイメージのために劣化したものを使うわけにもいきません。
また、会社のワッペンをつけているので、廃棄にも気を使う必要があります。そのため、ユニフォームを廃棄する際には、産業廃棄物としてお金を払って、定期的にユニフォームを新品に入れ替える必要が出てきます。警備業全体で大量のユニフォームが廃棄されているのです。
これは家業で警備業をしているからこそわかることです。
ユニフォームを無駄に廃棄せず、リサイクルする方法はないかと考え続け、「サーキュラーエコノミーユニフォーム」の仕組みができました。廃棄ユニフォームを無料で引き取り、価格がほぼ変わることなく新品のユニフォームを納品できる仕組みは、警備会社にとって大変魅力があるものとなります。
「サーキュラーエコノミーユニフォーム」が普及することで、業界全体で自然とSDGsへの取り組みができ、私達の思いに賛同していただく証になると考えています。
サーキュラーエコノミーの仕組みを広げる
プペルの物語とサーキュラーエコノミーをイメージした、株式会社警備ログオリジナルブランド「プペルプロジェクト」ロゴ
株式会社警備ログではサーキュラーエコノミーユニフォームの普及に取り組んでいますが、それに併せて、この仕組みを社会全体に取り入れる活動もおこなっています。
それは、このリサイクル・CO2削減の活動自体が盛んになることで、それに熱心に取り組む警備業の社会的地位の向上にもつながると考えているからです。
絵本作家西野亮廣さんの、映画「えんとつ町のプペル」は、ゴミから生まれたゴミ人間”プペル”たちが、汚染されて見えなくなった星を見に行く、素敵な物語です。私達が取り組む、サーキュラーエコノミーユニフォームの仕組みを、”プペル”になぞらえて、社会に推し進めるチャレンジを進めています。
”プペル”のプロジェクトに賛同する方が、キャラクターポロシャツを購入する際に、手持ちの古着を送り返します。その古着は再びプペルのキャラクターポロシャツに姿を変え、市場に流通するという仕組みです。古着リサイクルが一般に浸透し、先進的な取り組みをする警備業界が注目されるきっかけになれればと思っています。
プロジェクトの詳細はこちらの動画をご覧ください:https://youtu.be/yqIGKP_0Pgo
まだまだ、社会実験の域を出ませんが、私達の行動一つ一つが周りの人のためになるのを、とても嬉しく思いながらチャレンジを繰り返しています。
株式会社警備ログのサーキュラーエコノミーユニフォームの詳細について知りたい方は、以下資料も合わせてご確認ください。