「オール・サステナブル・フレンチ」から生まれる人の繋がり

2020年夏、千代田区永田町にSDGsを体感できるフレンチ「Noeud.TOKYO(ヌー. トウキョウ)」がオープンした。食材から調理方法、店舗設計、運営まで、一貫してサステナブルに設計されており、「オール・サステナブル」がコンセプト。
今回、中塚直人(なかつかなおと)シェフに、SDGsに関するお話を伺いました。

中塚直人(なかつか なおと)

ヌー.東京‗料理風景

エコール辻フランス料理専門カレッジ卒後、京都のフランス料理店を経てTagayaに入社。一皿のクオリティへのこだわりを強く持ち、タガヤ在籍中に出資を受け、2011年にフランスへ。「オーベルジュ ラ フニエール」や「アモー アルベール プルミエ」でキュイジニエとして従事。帰国後、披露宴でのシェフ経験を経て、チャレンジを応援する企業文化に後押しされ、自身の希望だった野菜を中心としたレストランNœud .Tokyoをオープン。

 

フランスで感じた自然なサステナビリティ

ヌー.東京‗食材

SDGsを意識したきっかけを振り返ってみると、フランス留学での体験が大きかった様に感じます。昔、南フランスとサヴォア地方でキュイジニエ(料理人)としてはたらいていたのですが、どちらのレストランも当たり前の様に地域の食材だけで全メニューをまかなっていました。自家農園で採れたものや、同じ地域の顔なじみの生産者の方が手掛けた食材でフレンチをつくる。これが彼らにとっては当たり前の姿だったんです。自分たちの住む環境をそのまま受け入れて、その枠の中でできることで十分楽しめている。とても自然でサステナブルな姿でした。

このときの体験もあって、生産者とレストランのお客様の関係をもっと近くできないか、と考える様になりました。今、Nœud .Tokyoでは、国内の生産者を直接訪問し、仕入れる食材を選別する様にしています。長い方だと10年ほどのお付き合いになる方もいらっしゃいます。

 

生産者のストーリーを料理に添える

ヌー.東京‗料理

やはり現地に行かないとわからないことがありますね。何十年か先、こどもの世代が大人になった時のために、土や肥料のことを真剣に考えて野菜を育てている生産者の方がいます。自分たちが愛情をこめて育てた家畜のことを話してくれる方もいます。私自身が納得のいく食材を仕入れられるだけでなく、そうした生産者の方々のストーリーを知ることが大切な気がしているんです。

たとえば、カシスを与えて鴨を育てている方がいたり、ミカン畑を荒らすイノシシを仕留めるハンターの方がいたりします。そこから仕入れた鴨肉やイノシシ肉をつかった料理を、「そんな訳で、少しフルーティな香りがするかもしれません」などとお伝えしながら提供する。ただ召し上がるだけよりも、生産者の方々のストーリーに想いを馳せながらの方が、よりおいしく感じていただけるんじゃないでしょうか。私たちが提供したいのは、そうしたきっかけです。

 

直接会いにいくからこそ生まれる信頼

生産者の方に会いに行くのも、やはり時間は取られます。淡路で甘くていい玉ねぎを育てている方がいるんですが、そこもすぐに行ける距離ではないですからね。でも、いい食材、共感できる生産者の方に会えるなら時間も惜しくはありません。それに、お付き合いが長くなってくると理解が深まるんです。直接お会いして、お互い腹を割って話せるようになってくると、こちらが求める食材づくりに挑戦していただけたりもします。メインの食材だけでも十数か所、それにシーズンものの食材も含めるので、お付き合いしている生産者の方の数も少なくはないですね。でも、それだけの価値があると思っていますから。今でも、良さそうな方がいれば会いに行っています。ちょうどコロナで時間ができたので、2020年は各地を飛び回っていました。自分でも望んでやっていることですから、大変だと感じたことはありません。

 

押し付けではない、きっかけにしてほしい

ヌー.東京‗内観

お店にいらっしゃるお客様にも、多くの方に共感いただいています。お話が盛り上がって生産者をご紹介いただけた方もいらっしゃいました。嬉しいですよね。このお店に来ることが、色んなことを考えていただくきっかけになればいいなと思っています。「オール・サステナブル」をコンセプトにこのお店もつくっていますが、私たちが100%正解、と思ってはいません。もちろん常によりよい姿を目指してはいますし、皆に意識が広がっていけばいいなとは思っていますが、押し付けの様な形にはしたくありません。

たとえば、フレンチレストラン業界の中でも私たちのお店への反応は2分しています。日本のフレンチでは、トリュフや鴨肉などをはじめとして、輸入物を使うことが多く、国産食材だけを使う私たちの考え方を受け入れられない方もいらっしゃいます。でも、それでいいんじゃないでしょうか。結局、自分からやろうと主体的に思えないと、本質的な意味はないと思うんです。それに、最終的には実際に料理を召し上がるお客様に判断いただければいいことですから。

 

【SDGs推進委員会からの質問】

今後、企業が取り組むSDGsって、どんなことをしたらいいのでしょう?

ヌー.東京‗おしぼり

これは私個人の意見ですが、そうやってSDGsについて考え始めている時点で、すでにSDGsに参加しているんじゃないでしょうか。私たちのお店でも、きっかけは提供しています。食材や生産者の方々のお話、自然エネルギーでつくられたおしぼり、エコな内装なども、言ってみたらSDGsを考えてみるヒントですよね。私たちのやり方が100%正しいということでもないし、きっと正しい方法なんて、ないんだと思います。だから、一人ひとりが考えていけるようになればいいですよね。そして、みんなが考えたことを話し合って、経営に活かしていければいいんだと思います。徐々に、じっくりと世の中の当たり前が変わっていくのが理想的なんじゃないでしょうか。

 

届けたいメッセージはありますか?

2021年のスタートとほぼ同時期に、緊急事態宣言が出されました。店を閉めるのか、それとも開けるのか、他の方法を考えるのか。スタッフで話し合いました。そこで出た声をもとに、ランチを始めることにしたんです。私たちは営業を止めない、という判断をしました。今、一番苦しんでいるのは生産者の方々です。ほんの少量でも食材を仕入れて、彼らのストーリーとともにお客様に届けたい。生産者の方々と一緒に歩き続けて、力になりたい。この逆境でも日々頑張っている生産者の方々のことを知ってもらうきっかけ、PRとしてのランチ、です。ぜひ、召し上がりにお越しください。

 

Noeud.TOKYO(ヌー. トウキョウ)
https://noeud.tagaya.co.jp/

03-6910-0233 ※要予約
ランチタイムは12:00~16:00
東京都千代田区平河町2-5-7
ヒルクレスト平河町 B1F
日曜・月曜定休
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今回お話を伺った「Noeud.TOKYO (ヌー.トウキョウ)」様は、"企業のSDGs取り組みを支援する"一般社団法人 日本ノハム協会の、メンバーシップ企業です。

sdgsicon_noeud

 

 

 

 

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