SDGs達成に欠かせない、国民のSDGs認知度アップを実現するには

Reported by
株式会社カケハシ スカイソリューションズ
テクノロジー事業部
小林 大致 さん

国民の認知度が高まりきらないSDGs

日本政府はSDGs達成に向けた取り組みを進めるために、総理大臣を本部長、官房長官、外務大臣を副本部長とした「SDGs推進本部」を設置しました。

全閣僚を構成員としたSDGs推進本部において、日本政府はSDGs達成に向けた取り組みの方針として、「3つの柱」と「8つの優先分野」を設定しました。「3つの柱」はSDGs達成に向けた取り組みの大きな方向性を示すもので、「8つの優先分野」はSDGs達成に向けた行動をより具体的に示したものです。

SDGsを日本向けに解釈し直し、取り組みの方針を定めることで日本国民が一丸となってSDGs達成に向けて取り組みを進められるようにしています。ところが経済広報センター「SDGs認知度の調査結果」によると、国民のSDGsに対する認知度は未だ約38%程度。なぜSDGsの国民の認知度は高まりきらないのでしょうか。

国民の認知度が高まりきらない要因は国の取り組み対象が限定的であること

2019年までに国はSDGs達成に向けて以下を新設しました。

新設内容

・「ジャパン SDGs アワード」の創設(2017 年 12 月~)
・「SDGs 未来都市」/「自治体 SDGs モデル事業」 の選定(2018 年 6 月~)
・「Japan SDGs Action Platform」の設置(2018 年 6 月~)
・「次世代のSDGs 推進プラットフォーム」の立ち上げ(2018年12 月~)
・学習指導要領への取入れ(小学校2020 年度~、中学校2021 年度~)

これらをみると、これまで国は企業、地方自治体をターゲットにした上流の施策と次代を担う小中学生を対象にした施策の2極で政策を進めてきたように思います。

また、小学校でSDGsについての授業をおこなっているというものの、文部科学省のHPなどで小中学校、大学の好事例集に上がる名前は主に「国立・国際・私立」の上流層の名前が並んでいる印象で「誰も置き去りにしない」というSDGsの最終目標にはまだまだ届いていないと感じます。

企業の取り組みに関しても「ジャパンSDGsアワード」と題しての表彰制度がありますが、2018年実施の第一回には282件の応募、2019年実施の第二回には247件の応募と前回よりも応募数は減少。この応募数は約385万社といわれる日本の企業数の1%にすらおよびません。

もちろん応募していないだけでSDGsに取り組んでいる企業、団体はいるでしょうが、世界的にみて日本はSDGsへの取り組みが進んでいないと言わざるを得ません。

今後おこなうべきは国民のSDGsに対する認知度アップ

SDGsへの国内の取り組みを推進するためにも、まずおこなうべきは国民のSDGsの認知度をあげることではないでしょうか。

ここからは国民のSDGsに対する認知度をあげるために効果的と思われる施策を自分なりに考案してみようと思います。

SDGs適合商品、経済活動に対する税金軽減・補助金制度の設立

省エネ・節電・CO2削減のための設備を導入すると補助金や助成金が支給されることをご存知でしょうか。2019年度では50億円もの予算が確保されている本制度。設備費の1/3が支給されるため、こうした制度を活用して積極的に省エネ・節電・CO2削減設備を導入する企業が増えています。

この制度に倣い、SDGsに適した商品等に対して認定マークを発行し、購入などに優遇をおこなう制度を作るとよいのではないでしょうか。

こういった制度があれば、「SDGs」という言葉の認知度向上が見込めると考えます。また、こうした優遇制度が建築物、住民税等にも広がっていけば過疎化した地方に対応する建築物が増え、地方に移り住む住民が増え、地方創生につながる。ひいては、次世代の支援にもつながりSDGs達成にも貢献するでしょう。

SDGs達成には国だけでなく、民間企業、ひいては全国民の協力が欠かせません。国民の認知度が4割弱にとどまっているという現実を真摯に受け止め、国民の認知度向上施策に注力していく必要があるのではないでしょうか。

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