SDGsへの取り組み「100万人の手洗いプロジェクト」への賛同がもたらしたビジネス効果【カンボジアからの投稿】

Reported by
株式会社カケハシ スカイソリューションズ
取締役
小川 靖浩 さん

発展途上国の子どもの命を守る「100万人の手洗いプロジェクト」

「100万人の手洗いプロジェクト」という活動をご存知でしょうか。

「100万人の手洗いプロジェクト」は植物系洗剤「ヤシノミ洗剤」で有名なサラヤ株式会社が2010年にスタートした活動です。サラヤ株式会社は1952年に創業し、日本ではじめて薬用手洗い石けん液と石けん液容器を開発・事業化した企業です。

世界では現在も発展途上国を中心に1日約16,000人 もの5歳未満の子どもたちが命を失っており、その原因の多くが予防可能な病気という現実を受け、石鹸を正しく使って手を洗うことを広めることで、病気を予防し子どもの命を守る活動をおこなっています。

具体的には対象となる衛生商品の売り上げの1% を寄付し、ユニセフ手洗い促進活動を支援しています。

手洗い講習がカンボジア人材の病気を減らし、活躍の場を広げる

弊社グループ会社のカンボジア法人「KAKEHASHI INTERNATIONAL & BUSINESS Co.,Ltd.」(以下、KIB)は、カンボジア王国労働・職業訓練省(MLVT) より認可を受けたカンボジア人技能実習生送り出し機関です。

将来カンボジアでの産業発展に貢献するため日本での技能習得を目指す人材に、日本語と各産業での技術・知識・技能の教育を実施し、技能実習生の送り出しをおこなってます。

KIBの生徒の多くはカンボジア国内でも地方出身者です。彼らは手洗いで病気の予防ができること、石鹸で手を洗うことの大切さを知りません。

日本にいると石鹸で手を洗うことの大切さやその効果は子どもたちも知っている当たり前のことだと思うかもしれませんが、世界を見るとまだまだ当たり前のことではないのです。

KIBでは、子どもたちに正しい手洗いの方法を広めるサラヤ社の取り組みに賛同し、サラヤ社から2年間手洗い石鹸を購入しています。石鹸を購入するだけでなく、サラヤ社によるKIB学校内での手洗い講習を依頼しました。

手洗い講習では正しい手洗いの必要性を伝えることはもちろん、実際に手洗い実技もおこないます。

実技では、生徒たちが自分では手をしっかり洗えたと思っていても、ブラックライトを使って確認すると、まだ汚れやバイ菌が付着していることがわかります。何度も手洗いを実践することにより、徐々に汚れをしっかり落とすことができるようになります。

KIB内でこの講習をおこない、全員が正しい手洗いを実践し始めてから、生徒の病欠は明らかに減少し、手洗いによる病気の予防効果を実感しました。

さらに、この取り組みを技能実習生の受入機関となる日本の組合に見せたところ、食品関係の企業からの技能実習生送り出しの希望が増加しました。今では愛媛県で大規模な展開をするスーパー運営企業へ、毎年10名の実習生を送り出すまでになりました。

このように、サラヤ社のSDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」に賛同することにより、結果的にKIBも目標1「貧困をなくそう」に取り組む推進力を得ました。

中小企業もSDGsに真剣に取り組もう

日本では、グローバル企業や大手企業がSDGsに積極的に取り組む一方で、中小企業の取り組みはまだ限定的にとどまっています。

平成30年12月に発表された関東経済産業局による中小企業のSDGs認知度・実態等調査においても中小企業500社中84.2%の企業が「SDGsについて全く知らない」と回答しています。また、取り組みもボランティア的な活動が多く、自社事業とのかかわりをうまく持つことができていないケースも見受けられます。

しかし中小企業でも、取り組み次第で人材確保やブランド力向上、また新規事業への発展など多くのメリットを享受できると私は考えます。前述のサラヤ株式会社は「100万人の手洗いプロジェクト」により特に発展途上国で知名度が向上しています。SDGsの取り組みを軸にマーケットを世界に広げているわかりやすい事例の一つといえるでしょう。

SDGsが掲げる17の目標達成に向けて、中小企業も真剣に取り組みを考えてみるべきではないでしょうか。

 

-SDGs目標別, ピックアップ, 目標1:貧困をなくそう, 目標10:人や国の不平等をなくそう, 目標3:すべての人に健康と福祉を, 目標4:質の高い教育をみんなに
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