瀬戸内国際芸術祭から考えるSDGs

Reported by
株式会社カケハシ スカイソリューションズ
クリエイティブ事業部
新井 裕可里 さん

瀬戸内海の島々を巡りながら、アート作品を鑑賞・体験することができる瀬戸内国際芸術祭。豊かな自然に囲まれたイベントからSDGsについて考えてみたいと思います。
(瀬戸内国際芸術祭の詳細はこちら

「海」をテーマにした作品たち

展示される作品の多くが、海や水をテーマにしたもの。

例えば、2019年の会期に公開された『うちの海 うちの見』という作品(サラ・ヴェストファル作/男木島)。夜の海を思わせる水面とうごめくタコの映像が映し出された空間は、自然の神秘を感じさせます。

人々にとって海は身近で、あることが当たり前の存在かもしれません。しかし、環境破壊によって世界各地で様々な問題が起こっていることも事実です。

夏になればビーチに遊びに出かけられること、美味しい魚介類を食べられることは、未来の地球では当たり前ではなくなっている可能性もあります。海に囲まれた島々でこうしたアート作品に触れることで、自然について考えることもSDGsの第一歩と言えるのではないでしょうか。

美しい瀬戸内海の島々へ、人々が集まる理由をつくる

作品は、瀬戸内海の島々のあらゆる場所に点在しています。島の中を歩き回ったり島から島へフェリーで移動したり、都会の美術館とは一味違う鑑賞スタイルが人気の要因の一つとなっています。

作品の多くは空き家や廃校になった小学校など、今はもう使われていない建物を使って展示されています。再利用するだけでなく、アートという付加価値をつくることで多くの人が集まる理由が生まれます。

筆者も2013年と2019年にこの芸術祭に参加しました。島をレンタサイクルで一周したり、海を眺めながらカフェで休憩をしたり、時には農作業中のおじいさんからスイカを分けてもらったり。きっかけは芸術祭でしたが、作品鑑賞以外にも島ののどかさや現地の人々の優しさを知ることができました。

芸術祭の経済効果について

現地の人々にとってはどうでしょうか。前回開催となった2019年には、春夏秋の会期中に国内外からのべ118万人が来場しました。

それだけの人が島に訪れ、フェリーをはじめとした交通機関を利用し、食事をし、宿泊をすることになるため、その経済効果は香川県で180億円と報告されています。単純な経済効果だけでなく、訪れた人がその土地の文化に触れ、人と人との繋がりができることが、地域の未来をつくっていきます。

瀬戸内国際芸術祭の成功例はSDGsの観点から見てもたくさんの学びがありました。次回は2022年の開催が予定されています。皆さんも是非注目してみてくださいね!

-SDGs目標別, 目標11:住み続けられるまちづくりを, 目標12:つくる責任 つかう責任, 目標14:海の豊かさを守ろう, 目標8:働きがいも経済成長も
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