漂着ゴミ問題から考える、 資源利用と持続可能な観光について【奄美大島からの投稿】

Reported by
株式会社カケハシ スカイソリューションズ
奄美営業所/ゲストハウスAMATERRACE管理人
玉置 奈菜 さん

ビーチクリーン活動で見直す私たちの消費の在り方

毎月第一日曜日は、ゲストハウスAMATERRACE(アマテラス)のある鹿児島県奄美市笠利町・崎原集落の「海の日」。私もよく近所の子どもたちと一緒に海岸のゴミ拾いをします。

奄美大島の太平洋側に面する海岸では、冬になると北風の日が多くなるので、あやまる岬の北側の海岸にはおびただしい量の漂着ゴミが流れつき、小さな子どもでもたった一時間のゴミ拾い活動をするだけでゴミ袋がいっぱいになります。

この海岸に流れ着くゴミで多いのは、まずペットボトル。続いて、発泡スチロール、缶、ガラス瓶、網や浮きなどの漁具、サンダルなどの履物、日焼け止めクリームや医薬品などのプラスチック容器など。時には、針がついた注射器などの危険物も流れ着きます。

その大半の容器に中国語やハングル文字が書かれていることから考えると、ゴミの多くは近隣諸国から流れ着いたものであると想像できます。ですが、隣国の人々のマナーの欠如を批判する前に、日本人もこの現状をきちんと受け止め、自らの生活や消費のあり方を見直す必要があると、そう強く感じます。

日本のペットボトル未回収率15%に危機感を抱く

ゴミ問題の中でもとりわけ大きな問題になっているペットボトル。日本でのペットボトルリサイクル率は84.6%です。

この数字をどう見るかですが、「8割以上がリサイクルされている」ことよりも、「回収されずに残る約15%」があり、その量は年間9万7千トン、500mLボトルに換算して320万本以上に相当することに危機感を抱くべきでしょう。

日本だけでこの量です。隣国やアジア、世界の量はいかほどでしょうか。

この奄美大島だけでも、増え続ける観光客の影響もあり、回収されるペットボトルの量は年々増え続け、奄美市のゴミ処理施設では処理作業が追い付かず、現場からは悲鳴が上がっていると聞きます。

もうひとつ注視すべきは、ペットボトルの回収・運搬・リサイクルのために、ペットボトルを新しく作る約4倍もの石油を消費するということです。

離島で暮らしていると、モノを買う際に本州やその他地域とは違う特に高い配送料がかかることも多く、台風接近時などの天候により飛行機やフェリーが欠航になり、日配食料品や日用品が島中ですぐに品切れになることが当たり前なので、モノを運ぶって大変なこと、人が動かしていること、という事実を日々実感、体感します。

離島で回収されたペットボトルの運搬が、これから一層大きな環境負荷を生み出すことは想像に難くありません。

宿泊ゲストにも体感してほしいゴミ拾いに学ぶ課題や問題

奄美大島で暮らしていると、世界の海に漂っているであろうゴミの量、ゴミの処理・リサイクルで生じる環境負荷を、自分自身の日常生活の中で体験し、強烈に感じることができます。

2020年から、こうした私自身の経験を島の内外、たとえば元々奄美に暮らす地域の方々やアマテラスの宿泊ゲスト、島キャン生や合宿などでアマテラスに来る学生にも積極的に共有し、拡散し、働きかけに対する共感者を集めることで、ゲストハウスとしての業績にもつながる取り組みをしていきます。

すでに始動している第一弾の取り組みは、ビーチクリーン活動をおこない、その写真や動画をSNSに投稿し、アマテラスのアカウントをタグ付けしていただくと、管理人セレクトの奄美のお土産や次回宿泊時に使えるクーポン券を進呈するキャンペーンです。

ひとりのゲストが小一時間ゴミ拾いをしたところで、海岸がきれいになる効果は微々たるものですが、奄美大島を訪れ、その海岸でビーチクリーン活動に参加したことをきっかけに、そのゲストが永続的にモノの消費の仕方を見直すことになれば、それは大きな価値になります。

そして、ビーチクリーンなどの経験や参加した思い、感じたことなどを簡単に拡散できる仕組みが、今の社会にはあり、今の人にはできます。アマテラスのリピーターの多くが、釣り客やダイバー、サーファーなど、海を愛する人たちであるという強力な下地を生かし、さらに新たな取り組みを考え、実行していくつもりです。

 

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